ダイバーシティ推進準備会 diversity

2019 1 29
レポート

インドネシア・フィリピンにおける女性の社会進出について

 日本でも数年前までは「働く女性」をクローズアップするメディア、マスコミが多数ありましたが、最近では男女にかかわらず社会で活躍する人が増え、体力や業界の慣習で男性ばかりだった業種にも、活躍する女性の姿を見る機会が増えています。
しかし、海外に目を向けると、日本よりも女性の社会進出が進む国・地域が多く存在します。
今回は、OBP協議会とフィリピン共和国総領事館、インドネシア貿易振興センターで26日に開催する「ダイバーシティー推進準備委員会 第2回女性交流会」に際して、インドネシアやフィリピンでの女性の社会進出を見ていくことにしましょう。

 

◆インドネシア:女性大統領の誕生から社会復帰がしやすい環境に

 5つの大きな島と約18000もの小さな島で構成されるインドネシア。人口は約26000万人(2017年)で、20代後半が中央年齢を占めています。

 さて、インドネシアの女性といえば、ヒジャブをかぶって髪や肌を隠している姿をイメージする方が少なくないことでしょう。これはインドネシアをはじめとしたイスラム文化圏の街中でよく見られる光景です。しかし近年では都市部を中心に、街中でも髪や肌を露出したファッションを楽しむ様子が見られます。


※頭にヒジャブをまいたインドネシアの女性

インドネシアでは、2001年に初代・スカルノ大統領の長女であるメガワティ・スティアワティ・スカルノプトゥリさんが女性初の大統領に就任したことを機に、女性の社会進出が加速。現在では、政府機関における管理職への女性の就任も、日本より高い割合となっています。

こうした女性の社会進出を支える背景には、家政婦・ベビーシッターの存在があります。日本では一部の富裕層がサービスを利用しているイメージが強いですが、インドネシアを含めたアジア地域では、一般家庭でも12名の家政婦・ベビーシッターを雇い、サービスを利用していることがめずらしくありません。そのため女性は、出産した後でも早期に社会復帰することができ、従来のキャリアを生かして仕事に取り組むことができる環境が、社会に定着しています。

 

◆フィリピン:高学歴で、国内外で活躍して家計を支える女性が多数

 日本の8割ほどの面積に、約1億人(2017年)の人口を有するフィリピン。大きな特長としては、全人口の10人に1人が海外で働き、家計を支えている点です。

フィリピンは、日本よりも学歴を重視しする傾向が強く、企業や政府機関で働くには高等教育機関への入学が必須です。そのため10代のうちから「家族のために家計を支えたい」という意識をもつ女性は少なくありません。そして卒業後は国内外で働き、幅広い分野で活躍しつつ家族を養っているのです。そもそもフィリピンは、日本や欧米のように男女別で役割を分けるという思考ではないため、必然的に母性が比較的強い女性が家計を支え、家族を守るという文化が形成されているのでしょう。



 こうした状況にありながらも、フィリピンは世界第1位の人口増加率を誇っています。出生率も3人を上回っていることもあって、インドネシアと同様に家政婦・ベビーシッターのサービス利用も普及しています。また、フィリピン政府も少しずつ産休・育休制度を改革。近年には国際基準に沿うよう、休業期間の延長などを盛り込んだ法律を提出し、現状で60%台にとどまっている産休取得者の割合を高める取り組みを進めています。

 

◆データ:MasterCard、JILPTデータから読み解く女性の社会進出の現状

 女性の社会進出については、クレジットカード会社の世界大手・MasterCardJILPT(独立行政法人労働政策研究所・研究機構)がそれぞれ指標となるデータを発表しています。

 前者のデータについては、「女性の社会進出度調査」として、雇用機会・教育機会・リーダー職への就任等の視点から、女性の比率を数値化。スコア100を男女平等とし、数字が大きいほど女性の社会進出が進展していることを示しています。

 このデータで日本とインドネシア、フィリピンを比較すると、女性の教育機会についてはフィリピンが日本よりもはるかに多くの機会を得ていることがわかります。とくに高等教育は日本が89.3に対して、フィリピンは128.4と大きく差が開いています。

 後者は「管理職に占める女性の割合」として2016年に公表したデータですが、フィリピンは欧米各国を含めた12カ国の中でもっとも女性の割合が高く。48.9%となっています。一方、日本は全体のわずか12.9%と低水準にとどまっており、社会全体で女性の社会進出を推し進める重要さがわかるでデータとなっています。


 

 こうした実状とともに、26日の第2回女性交流会では、各国の女性のライフスタイルや働き方に注目します。社会全体の流れとして女性の社会進出が叫ばれる中にあって、それぞれの勤務先や個人で取り組めること、めざしていく方向性が見つかればと思います。ぜひご参加ください!



お申込みURL:https://obp-ac.osaka/member/course/detail/3027