vol9 ワーカー×地域住民で作るOBPのクリスマス 「参加型」で変わるイベントの形

2017年12月11日〜14日、18日〜21日の2週にわたる8日間、TWIN21・松下IMPビル主催のクリスマスイベントが行われました。
昨年までとはやり方や考え方を変え、主催者・イベント企画者だけでなくOBPワーカーや周辺地域の住民で作るという新たなスタイルが生まれました。
OBP Style 第9回は、人のつながりでつくられたOBPオリジナルのクリスマスイベントをリポートします。

イベントのキーワードは「参加型」

今回のイベントでは、
・仕事帰りのワーカーの方々へクリスマスプレゼント配布
・飲食店でのパフォーマンス企画
・メインステージ企画
の、大きく分けて3つのイベントが行われました。
企画や運営を任されたのは、「OBPアカデミア」。OBPの活性を目標とした学びと交流の地域拠点として、コワーキングスペースを運営しています。
担当したOBPアカデミアの時任さんは今回のイベントのテーマは「参加型」にあると言います。

いつもの飲食店で観客自身が主役に

パフォーマー

例えば「飲食店でのパフォーマンス企画」。
関西を中心に京橋でも人気を集めるパフォーマーを招いて、飲食店を回遊するもの。
パフォーマーの皆さんはプロ。イベントの多くは、通常お客さんの前でパフォーマンスをし、お客さんもまた、それを観るに留まることでしょう。しかし、ここでは「参加型」を意識した内容でそれぞれの芸が披露されました。

バルーンアート

バルーンアートや、手品に、生演奏など…普段は飲食のために来られるお客さんたちですが、目の前でこれらのパフォーマンスを見られて楽しそうです。

ピエロと皿回し

しかし、あくまで「参加型」であり、ただ見るだけでは終わらないのが今回のイベントの特徴。
お客さんや飲食店の店員さんまで巻き込んで、お店の中が一体となっています。
仕事帰りに立ち寄ったワーカーさんとピエロが皿回しをしてみたり、飲食店の店長がプロミュージシャンの演奏で歌うオンステージが出来上がったりと、その場にいる誰もが楽しむ空気で包まれました。

ワインを片手に楽しむ生演奏

管打楽演奏

一方、「クリスマスミュージックフェスタ」と題したメインステージ企画では、プロの演奏家やパフォーマーによるコンサートが行われていました。

サンタガールによるワイン

ここではワインが振る舞われ、弦楽四重奏や弦打楽演奏、ミュージシャンのアコースティックギターコンサートなど、プロの音楽を楽しめるという贅沢な場を演出。連日たくさんのワーカーや地域の方が集まり、お酒と音楽に酔う、そんな時間が流れたのでした。

いきなり現る!ダンサー集団

フラッシュモブの様子

「クリスマスミュージックフェスタ」の最終日は予定時間まで秘密となっていた「マル秘!サプライズ企画」。
なんと子どもから大人まで総勢41名のダンスパフォーマンスによるフラッシュモブでした。
フラッシュモブとは、何の前触れも無く突如パフォーマンスが始まり周囲の関心を引きつけるもの。

一体どこまでが仕掛け人なのかわからない状況に、観に来ていたワーカーや周辺地域の観客も思わずソワソワ…ワクワク…そんな表情を浮かべ、ダンスパフォーマンスに見入るのでした。

プロと一般参加者が一体となって作ったフラッシュモブ

フラッシュモブの様子

見事な完成度だったフラッシュモブですが、実はプロだけのチームで作ったものではありません。
メンバーには、一般参加者も入っていたのです。OBPアカデミアとして事前にフラッシュモブ練習会企画を立ち上げ、「ダンス未経験者OK!」と公募した結果、ワーカーや周辺地域の人々は好奇心をくすぐられたのか、出演者の半数を占めるまでの参加人数に上ったのでした。

京橋で活躍するプロが作る、OBP流・フラッシュモブ

沖さん

監督を務めたのは、京橋を中心に活動するプロの演出家・ダンスインストラクターの沖知美さん。
OBPアカデミアでもダンス講座を開くなど、精力的に活動されています。

「2年ほど前から大規模フラッシュモブをしてみたいと思っていたところ、今回の企画でOBPアカデミアさんより相談を受けて『やろう!』となりました。」と沖さん。「『フラッシュモブをしている間は、日本で一番ハッピーな場所にする』とテーマを掲げ、フラッシュモブの現場に居合わせた出演者・お客さん・関係者みんなにハッピーをプレゼントする!と思っていました。」と語られました。
しかし、そんなフラッシュモブを実現させるためにはある程度の人数が必要になります。そこで、沖さんは繋がりがある仲間のパフォーマーにも協力を依頼。これにより京橋をはじめとした周辺地域から仲間がさらに集まりました。

一般参加者がいたからこそ作られたワクワク感

フラッシュモブ参加者

「プロ・アマ混合チームのためクオリティの管理や、最後まで事故なく無事に終えられるかの不安が大きく、自分の中ではいつも焦っていました。しかし一般参加の方々は、いつも楽しんでくれて、温かい言葉も毎回かけてくれ、逆に元気を頂いていました。」と沖さんは一般参加の方がいたからこそ自身も楽しめたと語ります。

また、一般参加だった大阪市内で働く女性に伺ったところ、「フラッシュモブに出てみたい気持ちがあったので、今回参加ができて嬉しかった。体を動かすだけでなく、普段なら出会えない人とも交流できる。日常にはない刺激があったので、すごくワクワクした。今回仲良くなった参加者とは、『来年もあればもう一度出たいね』と話しています。」と嬉しそうに話されました。

“やりたい人”が“実現できる場所”をつくることが地域活性に

時任さん

中心となり動いていた時任さんは日頃からOBPエリアや京橋の地域活性について考え、『地域が活性化するとは何なのか』を自問し続けていたそうです。

「例えばお金をたくさん出せば、有名人を呼んでOBPエリアの外からも数千人単位で集客するイベントを開けます。しかし、それはその有名人を見に来ただけで、終わった後に地域には何が残るだろう、と思います。
この土地を知る方、大阪に馴染みのある方と一緒に創るから、地域への想いがあり、盛り上げ方・温度感も知っている。そして、人を介してエリアの外へ情報が広がっていく。
普段はOBPに来ない近隣の方が足を運んでくれると『こんなお店あったんだ』や『意外とビジネスだけの街でもないんだな』という気づきが生まれ、また来ようということにも繋がるかもしれない。」と語られました。

時任さん・沖さん

また、今回のイベントを振り返り次のように言います。
「参加型を軸として作った今回のイベントは”何かをやりたい人”と”実現できる場所”が合致し、結果大きな盛り上がりが生まれました。来年は『フラッシュモブに絶対参加したい!』と言って下さる自発的なOBPワーカーの方も出てきています。
ワーカーや地域の方が活躍することで人の輪がOBPを中心に繋がっていき、次々と人が繋がることでエリアは盛り上がっていけるのだと思います。」
と、「地域活性」についてのヒントが見えたと語りました。

OBPの空気を変えた8日間

今回取材する中で感じられたイベントの空気感は、『純粋に楽しむ』という明快なハッピーさがあり、人の温かさが感じられるものでした。
これは主催者からの一方的な発信となることの多いイベント開催において、普段は観る側に立つであろう一般の方々にまで、作る側へ巻き込んだからこそ出せる雰囲気なのかもしれません。
2018年のクリスマスイベントは、ひょっとしたら更に大規模に(!?)
皆さんも是非注目していてくださいね。

Wanted!

OBP Style では、特集記事のネタを募集しています。
OBP内のイベントや活動、人、場所あるいはOBPに対する疑問、もっと知りたいことなど。
大阪ビジネスパークに関するテーマ限定ですが、様々なテーマを掘り上げていく予定です。
ぜひこのテーマをというのがおありでしたらご一報ください。
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