vol.43 水と緑に囲まれたOBPを守るワーカーたち クリーンアップキャンペーンから見えた現状

OBPエリアを一斉に清掃する「クリーンアップキャンペーン」が、12月に実施されました。
「水と緑に囲まれたビジネス街」というブランド力を持つOBPは、歩行者目線で歩いてみると、実はタバコのポイ捨て問題が深刻です。
クリーンアップキャンペーンに参加する皆さんはどんな想いでゴミを拾ってくれているのでしょうか?参加者の方の声を集めながら、活動の様子を追いました。

年に4回+週に1回、まちを綺麗に

年に4回+週に1回、まちを綺麗に

今回行われた「クリーンアップキャンペーン」は年に4回。エリア全体を一斉清掃する活動です。
OBP協議会をはじめとして、OBPに入居する企業のワーカーの方々、大阪市の中央区役所・環境局・建設局の方々と協働して行います。
皆さんの集合は午前8時20分、と少し早め。実は、就業前にボランティアで参加されています。

また、毎週木曜には南北の川沿い(リバーサイドパーク)のタバコの吸いがらを中心とした清掃活動が定例で行われていますが、こちらも、ワーカーの方々はボランティアで参加。
OBPの「水と緑に囲まれたビジネス街」としての魅力は、こうした活動によって支えられているのですね。

ブロックごとに担当を分けてくまなく回る

ブロックごとに担当を分けて隈なく回る

まずはツイン21の北プラザへ集合します。
清掃活動は、手ぶら参加でOK。OBP協議会から、軍手・活動エリア図・除菌シートの入ったバッグ、ゴミ袋に、火ばさみなど、活動に必要な道具が用意されます。
今年度は、コロナ渦中での活動のため挨拶などの定式は行いません。密を避けるために、受付を済ませたら早速、各自指定されたブロックへ分かれて出発します。

少し冷たい空気が、心地よくもある朝一番。
多くの方は会社から案内を受けて参加されるというのがきっかけですが、清掃活動後は「なんだか気分が清々しい」とお話されるワーカーさんが多く見られました。

なんだかんだ毎回お掃除を楽しんでいる

なんだかんだ毎回お掃除を楽しんでいる

コーヒーの空き缶、ペットボトル、スナック菓子や、ファストフードの袋など、多くのゴミが回収される中、「こんなものがありました。」と見せてくださった20代女性のワーカーさん。
何かと見てみると、朽ち果てた空気入れ。
バラエティに富んだゴミに驚きの視線を持っていかれつつも、今回の参加理由や参加してみての感想をお伺いしました。

「部署として参加しなくてはいけないので、すごく正直に言えばやらされ感がないわけではありません。寒くて大変だなぁとも思いますが、なんだかんだで毎回やりがいを感じていて、活動を終える頃には楽しい気持ちです。
日常生活でも、なんとなく道を歩く中で、落ちているゴミについて自分の中で意識できるようになっている気がします。」

活動後の帰り道、「何年ものかなぁ(笑)」と、拾った空気入れについて考えて楽しんでおられる様子に、“なんだかんだで毎回楽しい”とお話くださった気持ちが表れていました。

今年は特にタバコのポイ捨てが多い

今年は特にタバコのポイ捨てが多い

清掃活動をされるワーカーさんに同行させていただき所感を伺うと、なんと全員が「タバコのポイ捨てが増えた」と話されます。

川沿い「リバーサイドパーク」の管理が管轄であるという、大阪市の大阪城公園事務所職員の方によると、
「河川沿いの管理をしていると、普段からタバコに関する苦情の電話もかかってきますが、今年はその数も増えた印象です。
おそらくコロナ禍では、外での喫煙者が増えたと同時に、外で休憩する非喫煙者も増えたので、ポイ捨てや受動喫煙等の認識自体が増えたと思います。
また、昨今の喫煙者の減少から喫煙の場面を見ることも少なくなりました。ある意味“目に止まりやすい”ようになってきているのかもしれません。」
とのことでした。

全国的にも、ここ数年で喫煙に関する規制が厳格化したことに加え、昨年から起きているコロナの影響によって、喫煙所を閉鎖する場所が増えています。
“喫煙所難民”と言われる人々がOBPでも増えているのかもしれません。

根深いタバコのポイ捨て問題をどのように解決するか

根深いタバコのポイ捨て問題をどのように解決するか

一方で、今回参加されているワーカーの方のお話によると、携帯灰皿を持つ人が徐々に増えているというポジティブな面もあるとのことでした。
喫煙に関する問題は、喫煙者にとっては肩身が狭い話ではあるものの、携帯灰皿を持って吸いがらのポイ捨てをしないことは最低限のマナーと言えます。
また、非喫煙者にとっても、外で気分転換をする機会が増えたことで外での発見が増えるきっかけとなっており、個々の意識向上には繋がると考えられます。

どちらにせよ、タバコのポイ捨てや、屋外喫煙による受動喫煙という健康環境問題は、今後もOBPの問題の大きなポイントと言えそうです。

OBPの清掃活動は朝活

OBPのゴミ拾いは朝活

冒頭でお伝えの通り、今回のクリーンアップキャンペーンは、大阪市の職員と協働してエリア全域で行う年4回のもの。
それとは別に、毎週木曜日はワーカーの方々がOBP協議会事務局の呼びかけのもとボランティアで清掃活動を行っています。

お話くださった50代男性のワーカーさんも、毎週の清掃活動に参加されている方の一人。
「毎週1回の清掃活動は、今回のようなエリア全体の規模ではなく、川沿いを中心にタバコのポイ捨てを拾うことがメインになります。
木曜になれば『あ、今日は掃除の日だな』と思うほどに、ルーティーン化されてきました。いつも会社には早く到着する方なのですが、清掃活動をした朝はやっぱり気持ちが清々しくなりますし、良い朝活になっています。」

ほかの参加者の皆さんもボランティアでの参加だけあって、自発的な姿勢が伺えるとのことでした。
OBPの環境は、日々このような方々で支えられていると感じられます。
ありがたいことですね。

それぞれの想いとともに「水と緑に囲まれたビジネス街」を維持しよう

それぞれの想いとともに「水と緑溢れるビジネス街」を維持しよう

今回参加されたワーカーの方へOBPの印象を尋ねると、「オフィスビルにいながらも、緑を感じられるエリア」であるという答えが返ってきます。
自然を感じられるビジネス街だというイメージは、どうやら共通している様子です。

「クリーンアップキャンペーンの活動が盛り上がることで、個々の意識が変わって、ひいては関西全体が盛り上がると良いと思う。」
と、コメントをくださったワーカーさんもいます。

タバコの吸いがらやゴミのポイ捨て問題は、如何に自分ごととして捉えられるかで大きく状況が改善されるのではないでしょうか。
OBPの環境問題について現状を知り、一人でも多くの方が「水と緑に囲まれたビジネス街」への想いを持って行動することができれば、これほど素敵なことはないですね。

Wanted!

OBP Style では、特集記事のネタを募集しています。
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大阪ビジネスパークに関するテーマ限定ですが、様々なテーマを掘り上げていく予定です。
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