vol.55 新たな時間の使い方を提案するIMPビルへ!OBPを前進させる2つの大きな変化

2022.12.20 更新

既にお気づきの方も多いはず!2022年8月に「松下IMPビル」(以降、IMP)は30年ぶり、初めての内装リニューアルを行いました。
今、IMPでは2つの大きな変化が起きています。ひとつは、リニューアルによりOBPワーカーや一般の方々で賑わうビルになったこと。そして、グランフロント大阪にあった「パナソニック ショウルーム 大阪」が移転し、土・日・祝も足を運ぶ人が増えたこと。
OBP Style vol.55では、それぞれの変化に携わっている方にその詳細をお聞きしてみました。

世界で活躍する乃村工藝社が手掛けたリニューアル

世界で活躍する乃村工藝社が手掛けたリニューアル

まずはIMPのリニューアルについて。手掛けたのは株式会社乃村工藝社という、建築、内装のほか、博物館や美術館などの文化施設、展示会など、業界問わず幅広く“空間にまつわる事”を手掛けている会社です。

本リニューアルプロジェクト全体において窓口を担当されていた木暮さん(写真右)と、リニューアルの設計を手掛けた渡辺さん(写真左)が今回のリニューアルについて色々とお話をくださいました。

コンセプトは「Catsle Line」

IMPの下には “幻の地下鉄の駅”があると言われているのはご存知でしょうか?
かつて計画されながらも道半ばで中止となった地下鉄の駅は、現在もそのまま工事の途中状態で残っていると言われています。
ここから「駅」をひとつのテーマとし、さらにOBPにとって外せない「大阪城」の存在からコンセプトが「Catsle Line」になりました。

コンセプトは「Catsle Line」

駅の要素として、サインや照明などところどころのあしらいや、全体の空間づくりにヨーロッパの駅のようなイメージが演出されています。

コンセプトは「Catsle Line」

また大阪城の要素としては、石垣のパターンや梅林のモチーフ、大阪城で使われている金・黒・緑青の3色が意識されており、馴染みのある和のテイストも感じられます。

IMPに現存する古き良きものを最大限に活用

IMPに現存する古き良きものを最大限に活用

普段は東京オフィスで過ごすお二人は、今回のリニューアルに際し足しげく大阪へ通った模様。
「プロジェクトが終わるまでの1年半、何十回とOBPに通いました。正直、大阪城以外にどんなものがあるのか分からなかったところもあります。
IMPビルについてヒアリングを進めるうちに、周辺の方々から『あの建物ね!』という反応も返ってくることから、シンボリックな建物であるのだなとわかりました。」(木暮さん)

IMPに現存する古き良きものを最大限に活用

そんなIMPビルは32年前に竣工され、少し前時代的かもしれません。とは言え、随所でかなり良い素材が使われています。例えば床は大理石のパターンで張り分けられているというなかなかリッチな仕様です。
過去の建物を生まれ変わらせるうえでは、懸念点よりも、むしろこのような良い点が残っていることに期待を持てるリニューアルだったとお二人は話します。

IMPに現存する古き良きものを最大限に活用

「建物としてのポジティブな面は活かしつつも、今の時代に溶け込むデザインにしました。
例えば、全面大理石の床。今ではなかなか見ない貴重な財産ですし、そこは活かした内装にしました。
残されたレトロなイメージをうまく今の時代に合わせていくことと、場所の機能性として今の時代に必要なものを持たせること、この2点でうまくまとまるだろうなということは想定していました。30年の歴史を重ねてきたビルのリニューアルに関しては、不安よりも期待を持って取り組んだところがあります。
…ちなみに、天井に見られる木目調の目地は、全て職人が描いたものなんですよ。よーく見たら分かるかもしれません(笑)」(渡辺さん)

古き良きものを引き継ぐことで今までの利用者にとっても違和感なく馴染めるとともに、新たに楽しむ人々まで増えている点は、お見事なリニューアルですね。

是非ワーカーさんに体験してほしいワークスペース

是非ワーカーさんに体験してほしいワークスペース

内装リニューアルによって何より大きな変化が起きているのは、1階中央のスペース。
以前は何もなかったスペースがこの度、椅子やソファ、テーブルが置かれ、多くの方に利用されるワークスペースへと生まれ変わりました。

「初めて現地を視察したときに、花壇の縁に座ってお弁当を食べているワーカーさんの姿を見て、“座れる環境”がキーになるのかなと考えました。
我々もまさに働く中で座る場所を探す場面は多く、外出先では少しの打ち合わせにも場所を探して入らないといけない時があります。若年層においては働くスタイルに自由さを求める声も多く聞かれます。
コロナ禍を経ていっそう座れる場所のニーズが高まっていることは実感していたところですし、我々も仕事をするうえで『こんな環境がいいな』と思うポイントをデザインに落とし込みました。是非多くのワーカーさんにご利用いただければ嬉しいです。」(渡辺さん)

是非ワーカーさんに体験してほしいワークスペース

当初、IMPで働く方、近隣の方、観光客の方、そんな様々な方に休憩場所として活用してもらえるなら、地域貢献にもなるのではないかと考えられたこのスペース。
オープン後には、仕事やお昼ごはんで利用するOBPワーカーの方はもちろん、近隣住民・学生がお茶をするなど、気兼ねなく利用される姿で溢れており、満席が続く状態となっています。

「新しいコミュニケーション」に発展する場所へ

「新しいコミュニケーション」に発展する場所へ

今回のようなハード面を手掛けたり、イベントや集客に関する企画などソフト面にも携わっているお二人に次のような質問を投げかけてみました。

『お二人は、“まちづくり”のポイントをどう考えますか?』

「弊社は主に内装や企画に携わる会社なので、例えば古いものを新しくしたり、企画を考えて人を呼んだりと、ミクロな変化でまちを循環させられたら良いなと思っています。
今回で言えば、IMPのリニューアルで起きた変化をきっかけに、他のエリアや建物で積極的に変化を起こすような発想につながっていけば、経済の活性化や今働いている方のモチベーションに良い影響が出たり、新たにOBPを訪れる人も増えるかもしれません。
そういった血液のように循環するきっかけづくりができれば、まちづくりの一助となれているのかなと思います。」(木暮さん)

「木暮の話も踏まえると、色々な単位においてコミュニティをどう広げるのかが今の時代のキーとなるように思います。コミュニティが強くなれば、『こんな取り組みをしよう』といった話題も生まれ始める。
さらに、エリア外の人々など様々な人が参加することで、コミュニティとしても強くなります。如何にまわりを巻き込んでコミュニティを発展させるかということは、まちづくりに限らず今の時代には重要になってくるのかなと思います。」(渡辺さん)

今回のリニューアルの設計においては「NEW COMMUNICATION」というキーワードを掲げているそうです。
そこには、OBPエリア内の人も外来者もIMPのスペースを利用する中で、何かをきっかけに知り合ったり、より親交を深めたり、といった「新しいコミュニケーション」が生まれてほしいという思いが込められています。
新たなコミュニケーションが生まれ、コミュニティへと発展していく、そんなIMPに期待が高まります!

グランフロント大阪から移転した「パナソニック ショウルーム 大阪」

グランフロント大阪から移転した「パナソニック ショウルーム 大阪」

IMPのリニューアル竣工よりも数ヶ月早い3月。これまでグランフロント大阪で営業していた「パナソニック ショウルーム 大阪」がこの度移転し、IMPの3階へやってきました。

フロアには、キッチンやバスルーム・洗面所など水回りの設備から、収納や内装、外装、エネルギー設備に至るまで、あらゆる住宅部材や設備が揃います。
これから住まいのリフォームや新築を考える方々は、ショウルームをぐるりと1周巡りながら、実際に見て触れて、ショウルームに在籍するアドバイザーによる説明や提案を受けられます。

今回案内くださったのは、パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社が運営する「パナソニック ショウルーム 大阪」の宇野所長と木本副所長。施主がリフォームする前に選択肢を知ることで、後悔のない家づくりをしてもらうことを何よりも大切にされています。
「ENJOY YOUR ROOM」のメッセージを発信しているパナソニックショウルーム。その言葉通り、自分の部屋をどのように作り上げていくか考えるとワクワクの止まらない場所でした。

住まい設備をまるごと体験。新たな暮らしのあり方を知る

住まい設備をまるごと体験。新たな暮らしのあり方を知る

展示スペースに足を踏み入れると、まずはパナソニックならではの自信の設備がずらりと並びます。
掃除の時間を減らして自分時間に変えていくための“ラクするテクノロジー”を駆使した素材たち。これらが汚れ・傷にいかに強いかを実際に試すこともできます。

住まい設備をまるごと体験。新たな暮らしのあり方を知る

続いて、玄関〜リビング・キッチン〜パントリー〜洗面所と一通り暮らしの空間を展示するエリアも設けられており、IoTで実現させるスマートな暮らし提案も体験することができます。
コロナ禍を経て生まれた新しい導線のあり方や、コミュニケーションを大切にしたこれからの時間の使い方についても感じることができるでしょう。

住まい設備をまるごと体験。新たな暮らしのあり方を知る

お料理を楽しむ、お風呂でリラックスするなど、大切にしたい暮らしの場面は人それぞれ。
居心地の良い家づくりは、暮らす人の価値観を反映させていく必要がありますが、アドバイザーによるヒアリング(現地・オンラインどちらも相談可能)で本当に求めるものが何なのか、その潜在意識を掘り下げることができます。
ただ見て、体験して、楽しめるというだけではなく、家づくりという大きなイベントを担う施主が安心して向き合えるような気遣いも感じられます。

(※アドバイザーによる商品のご相談・プランニングは、予約された方を優先に案内をされているとのこと。予約がない場合は待ち時間やアドバイザーによる案内ができない場合もあるため、事前予約がおすすめです。)

OBPには「帰ってきた」という感覚もある

OBPには「帰ってきた」という感覚もある

さて、大阪の一等地である大阪駅周辺で営業していたショウルーム。
IMPビルに移転された今、移転前後に感じられる違いや、OBPエリアの印象を伺ってみました。

「やはりショウルームを運営する中で一番大きな違いを感じるのは人の流れでしょうか。立地条件もあり、以前にも増して、明確な目的を持たれて来る方がほとんどです。
一方で、工務店さんなど業者の方にとっては『帰ってきたね』と懐かしく感じていただける方がいるかもしれません。実はグランフロント大阪で始まるより前は、OBPエリア内でショウルームを営業していたんです。
ちなみに『ショウルーム』の『ショウ』を『ショー』と伸ばしていないのは、“商”と掛けており、商談の場であることを意識せよという創業者の想いから、敢えて『ショウルーム』となっています。ですので、わざわざ足を運んでくださったお客様・業者の方々に対してちゃんとご案内をしないと!と、こちらも身が引き締まる思いでいます。」(宇野所長)

「OBPに関しては、以前はビジネスの印象が強くありましたが、大阪城公園や読売テレビさんの辺りが新しく開発されたこともあり、若い人の数が増えたなと感じます。土日においては人の往来も見られない印象だったのですが、随分と賑わってきたんだなと思いました。」(木本副所長)

今後は関西最大のショウルームを展開する施設として、多くの方へ頼っていただけるように、より認知度を上げていきたいとお二人は展望を語ってくださいました。

ビルの変化で、新時代の時間の使い方を知ることができる

今回はIMPビルで起こった2つの変化を追う取材となりましたが、新たな変化によってIMPビルをはじめOBPエリアに足を運ぶ人の流れも変わりました。同時に、コロナ禍を経た今だからこそ求められている過ごし方が見えてきます。

新しい働き方、新しい休日の過ごし方ができる、そんなニュースタイルのOBPを感じ、編集部もワクワクとさせられています!
まだ実際にご覧になっていない方は是非IMPビルに足を運んでみてください♪

Wanted!

OBP Style では、特集記事のネタを募集しています。
OBP内のイベントや活動、人、場所あるいはOBPに対する疑問、もっと知りたいことなど。
大阪ビジネスパークに関するテーマ限定ですが、様々なテーマを掘り上げていく予定です。
ぜひこのテーマをというのがおありでしたらご一報ください。
ご連絡は『OBPスタイル編集部』まで 

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