2019年も行われたOBPの夏祭り「城まちFestival OBP 2019」。本年度は体験型イベントの数も増えてパワーアップ。8月22日から25日までの4日間、開催地のTWIN21ビルをはじめ、OBPエリア全体で祭りを楽しむ人々が溢れました。
OBP Style vol.28は、4日間で8,600名が訪れた2年目を迎える城まちFestivalをリポートします。
城まちが盛り上がる夏イベントがやってきた
屋内外で企画は盛りだくさん
屋台&キッチンカーで平日を楽しむワーカー
恒例ミュージックフェスタでは遠方からの問い合わせも
キッズダンスショーは家族で楽しむ機会を作る
今年の注目イベントはパラスポーツ体験企画
話題のパラスポーツ「ブラインドサッカー」と「ボッチャ」を実際に体験できるエリアが登場しました。
東京2020がいよいよ来年行われることもあり、オリンピックの感度が高まってきているのか、パラスポーツの知名度も高まっている様子が伺えました。
ここでは子どもたちや大学生が参加者を集め、彼らが参加者へのレクチャーもしてくれることで、多くの子どもたちが気軽に参加できる人気のコーナーとなりました。
また、高齢者の方たちも参加してみるなど、世代間を超えたコミュニケーションが生まれる場にもなったようです。
パラスポーツは参加側・教える側それぞれに良い影響を与える
ブラインドサッカーを運営していたFC Liens(エフシー リアン)の三好佑希さん。
「ブラインドサッカーは、目の見えている人が補助役として指示を出し、目の見えない人が指示を聞いたり、ボールから鳴る音を聴いたりしてプレイします。プレイする側は見えないことへの難しさがあり、指示する側は自分が見えていない感覚で指示を出さないといけない難しさがあります。例えば『前を向いて』という指示では、そもそも前がどっちかわかりません。伝え方や相手の立場に立ってみないと指示はうまく通らないので、参加者だけでなくクラブの子どもたちにとっても良い経験となります。参加者のどちらにも学ぶことができるスポーツです。」
と、ブラインドサッカーの面白さを教えてくださいました。
子ども同士の交流によって生まれる社交性
「ブラインドサッカー、一緒にやってみませんか?」と元気に誘われて参加した5歳の女の子。
女の子はゴーグルで視界を隠してゴールを決めたときのことを「周りのお兄さんに沢山拍手をもらって嬉しかった!」と少し照れながら教えてくれました。
FC Liensは、3歳から中学3年生までのサッカークラブで、サッカーの技術を磨くだけではなく、自主性・社会性を育てるための指導の一環としてボランティア活動や仕事体験を取り入れているそうです。
「今回のイベントでは子どもたちが子どもへ教えるという交流があり、小さい子へどのように伝えたら良いのか考える機会になります。将来プロに近づくほど、下の子から憧れられる存在であってほしいと思っていますので、今回のイベントも良い経験になると嬉しく思います。」
と、三好さんも会場を見守ります。
ボッチャは障がいの有無に限らず、子どもからお年寄りまで楽しめる
イベント最終日、パラスポーツの体験会場ではボッチャが行われていました。
ボッチャとは、ヨーロッパ発祥のパラスポーツ。パラリンピックにおいては脳神経麻痺患者が選手として活躍されています。四肢の不自由があっても勾配具(ランプ)を利用することで参加でき、また、老若男女誰もが楽しむことのできる競技です。
コーナーを運営されたのは、特定非営利活動法人 アダプテッドスポーツ・サポートセンターの副理事長であり、日本ボッチャ協会の公認一般審判員でもおられる岡田良広さん。昨年もツイン21で行われたクリスマスイベントでも車椅子ダンサーのショーを企画されるなど、パラスポーツの支援や振興に貢献されています。
「今日は子どもが主に楽しんでもらえているようですが、先ほどはご老人も『知ってるでー』と、参加されていました。NHKの放送でボッチャの特集をご覧になったそうで興味を持ってくださっていました。
また、前半(12〜13時)で参加されていた子どもさんは、休憩を挟んで後半(14〜15時)でもう一度来ることもありました。先ほどのゲームから学びを得て、戦術を変えて再び挑戦しに来たんです。
ボッチャは頭脳勝負で、本当に色々な方が楽しめる競技だなと思います。」
とお話くださいました。
この日行われたような、障がいの有無に関わらず皆が一緒にプレーする「インクルーシブボッチャ」の大会が、2019年10月14日(祝)に行われるとのこと。(※詳しくはHPでご確認ください)
大学生ボランティアによるボッチャ
3年目を迎える盆踊り大会はリピーターも生まれていた
イベント2日目は天候が不安定だったこともあり、波乱の幕開けに。屋台やライブが休止になった分も盛り上がるぞ!とTWIN21アトリウムで盆踊り大会が行われました。景気づけの鏡開きの後、盆踊り大会はスタート。唄い手は、すっかりおなじみとなった美好家一座のみなさんです。高らかなこぶしまわしで繰り出される河内音頭に軽快な太鼓のリズム。アトリウムは一気にお祭りモードに。
ノリノリで踊っておられたご夫婦は、「ホームページで今年もやるのを知ったんで来たよ!」と、インタビューの間も惜しむように答えて、また踊りの輪に入っていかれました。
また、お子さんと一緒に参加された方は同じくWebサイトを調べられたようで、「今年もあると知って来ました。こうやって雨のないところで生演奏がきけるのは気持ちいいです。金曜の夜だし、これからもこうしたイベントが広がっていくと楽しそう。」とコメントをくださいました。
それぞれの楽しみ方で参加できる盆踊り
仕事帰りに通りがかったワーカーさんも続々と足を止めて見入っています。見学していた3人グループの方にお話を伺ってみると、城まちフェスティバルのチラシをみてどんな雰囲気なのかなと初めて立ち寄られたそうです。
「みんなうまいこと踊ってはるなぁ」と関心しきりで、踊りの輪に入るのはちょっと勇気がいる様子でしたが、お祭りの雰囲気はしっかり楽しんでおられました。
また、天候の影響がプラスに働いた面も。
ライブがなくなったのでアトリウムに立ち寄ってみたというグループのおひとりは、
「こんなイベントもしてたんですね。実は盆踊り大好きなのよ。今日はそのつもりの格好をしてきてないからねえ、残念(笑)」と、次々と繰り出される河内音頭と太鼓のリズム、躍動感ある踊りが終わるまで、ずっと楽しそうに見入っておられました。
そのほかにも、留学生のグループ数名が踊りの輪に飛び入りし、文字通り手取り足取り教わりながら楽しんでおられたり、アトリウムの片隅で友人を待ちながら踊りの雰囲気を楽しんでおられたり。いろいろな人が集まり、思い思いにお祭りの空気に浸っておられました。
OBPの夏の夜を飾る盆踊り大会、3年目ともなるとすっかり地域のイベントとしても楽しんでいただけている様子です。
ワーカーさんも周辺の方々も一緒になって地域を活気づける場として期待されていることを実感しました。
「24時間テレビ」と連動して、エリア全体ににぎわいが広がる
昨年に引き続き、週末の2日間は「24時間テレビ」が開催。
本年は、チャリティイベント会場が長年行われていたツイン21のアトリウムから、本年度完成された新社屋へと移動になりました。
これにより、北はツイン21、南は読売テレビ周辺にキッチンカーや屋台が並び、京橋駅・大阪城公園駅・大阪ビジネスパーク駅の主要3駅から、イベントへ向かう人の導線も様々な方向へ。にぎわいがOBPエリア全体に広がりました。
城まちFestival2019は一般参加の体験企画が進化
今回の取材を通じて見えてきたのは、昨年よりも更に近隣地域の方の認知度が上がっている点。これは継続による成果であると感じます。
平日も天候が良ければ、より盛り上がったのではないかと思いますが、ワーカーの方々への認知が一層広がれば、さらににぎやかで楽しいビジネス街のイベントとなるのではないでしょうか。
来年は同時期に東京オリンピックも開催されます。次年度の夏まつりで、ここ大阪・OBPからも今回のような熱気を伝えられることを期待します!