少子高齢化が進み、「ダイバーシティ」の文字が踊り出した昨今。皆さんのまわりでもこの言葉は既に登場しているのではないでしょうか。
OBPでのダイバーシティへの取り組みもまた、始まっています。2017年度より「ダイバーシティ推進準備会」が発足。
OBP Style vol22は、OBPのダイバーシティ推進への取組みを追います。
多彩な能力を秘めたOBPエリア
ダイバーシティとは今や、性別、人種、キャリアや価値観など、多様性を受け入れるだけでは終わりません。それぞれが持つ違いを「個性」と捉え、それぞれの個性を集合させて総合力を高めたり、個々の特性を適材適所で活かし生産性を高めたりすることを主な方針とする企業も増えてきました。
こうした点を踏まえOBPを見渡すと、実に様々な企業が集まるエリアであり、そこには多彩な能力を持つワーカーが集合しているので、大きな可能性を秘めたエリアであると言えるでしょう。
OBPを広く知らせる「ダイバーシティ推進準備会」
OBPがまちづくりをする上での課題
4万人を超えるOBPワーカーの4割以上が女性だということはご存知でしょうか?
それにも関わらず、OBPのまちづくりを進めるべく設立された「大阪ビジネスパーク協議会」の理事会には女性のメンバーがゼロ、運営委員会においてもまだまだ少ない比率である課題を抱えています。
例えば、「OBPエリアの夜道は暗くて怖い所がある」という声が挙がったことで初めて協議会側も気付かされることもあったようです。
まずは女性が活躍できるエリアを目指す
もちろん、「ダイバーシティ」が指し示す範囲は広く、女性に限ったことではなく、まちづくりをするうえでも、女性以外に、男性、身体障害者の方、外国籍の方など、それぞれからの視点・問題意識が欠かせません。
今後さらに参加者を広げていかなくてはならないという意味を込め、「ダイバーシティ推進“準備”会」と名付けられました。
そして、2018年度の活動は「女性」をテーマに動き出したのでした。
OBPの女性ワーカーが主役のイベント
お互いを知る機会はすぐそばにある
女性の社会進出が当たり前のフィリピン、家を守るのが女性の役目のインドネシア、など、同じアジアの国でも女性のあり方が大きく異なるようです。
参加者の皆さんは真剣に聞き入っています。女性の家事・育児といった生活に密接した話題になると、時に自身の抱える現状の悩みからか「いいなぁ〜」と、声も漏れ聞こえました。
パネリスト、参加者と立場は分かれていますが、締めの交流タイムではそんな立ち位置もフラットに。お互いに感想や疑問をシェアする時間となりました。
参加した女性ワーカーの皆さんは普段交わることのないメンバーですが、仕事をしている上では共感のできる点も多々あるようです。
時間は必要だが、着実に進めたい
ダイバーシティ推進準備会の中心となるOBP協議会の舟越事務局長へ、今後のOBPにおけるダイバーシティの展望を伺うと、
「時代が動いていることもありますが、OBPの企業でも徐々にではあっても女性のリーダーが増えつつあるように思います。企業の動きが変わることで、OBP協議会ひいてはOBPエリアへの良い影響が出てくると期待しています。
ダイバーシティというのは大変大きなテーマであり、一朝一夕にエリアが変わるのは難しく年月が必要です。しかし、続けること、あきらめないことが大切。まずは、今課題としている女性が声を挙げやすくすることが第1歩だと考えています。
また、来年は身体障害や発達障害の方の理解を深める機会はどうかという意見も出ています。1年で1テーマを取り上げて、様々なテーマにおいて気づきの場をつくりたいと思います。」
とお話されました。このようなダイバーシティへの取り組みを続ける意義については、
「始まりは女性をテーマに挙げますが、もちろん男性、LGBT、キャリア、異国籍、障害者など、様々な立場の方の意見を取り入れることを目指しています。
ダイバーシティが進むということは、結局まちのバランスが取れてくることなのだと思います。多くのワーカーにとって過ごしやすいエリアになれば、自ずとOBPへの愛着も生まれるのではないでしょうか。」
と語られました。