働き方改革法が2019年4月から施行されました。OBPエリアの企業も働き方改革の動きがいよいよ本格的になってきたのではないでしょうか?
そんな働き方改革にもリンクするイベントが2019年6月27日に開催されました。
OBP Style vol.27では、人生100年時代の「働く」について考えてみます。
働き方の価値観が変わってきた
(出所)一般社団法人 プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
働き方改革の影響による残業時間の削減や、副業解禁の流れによって、「仕事終わりの時間で何か始めよう」と思う人が皆さんの周りでも増えたのではないでしょうか?
時代とともに人々の働き方は変化しており、様々なニーズが生まれています。
関西に、人と情報を集約するプラットフォームを
第1回コレハタナイトは「自分らしい働き方を探る」
今回コレハタナイトに集まった参加者は約40名。半数以上がフリーランスでしたが、中には会社員の方も見られ、副業や今後の働き方を考える方々が集まりました。
第1回目のテーマは「自己探求ツール『エコシステムマップ』で自己資産を発見!」。これからの働き方を考えている方々と、まずは繋がりを作ろうという目的のもと「エコシステムマップ」を作成してみるというものでした。
エコシステムマップは自分の「無形資産」を可視化する
ワークショップで参加者がチャレンジした「エコシステムマップ」は、自身の棚卸しとしてはもちろんのこと、このマップを他者へ見せることでも役立ちます。
これを考案したのは、上野敏寛博士(政策学)。京都大学・龍谷大学の研究員でありながら、企業でも新規事業開発に参加されています。人々の関係性を軸に地域産業振興やまちづくりに関する研究・実践をされる視点から、エコシステムマップを解説されました。
「“エコシステムマップ”は、自分自身がどういう人間か、そんな自分を取り巻く環境はどのような関係で成り立っているのか、自分の『無形資産』が可視化できるツールです。加えて、自分が持つ関係の中で機能している関係なのかどうかも見えてくるので、今の自分の立ち位置を分析することもできます。」
また上野さんはエコシステムマップを作ろうと思った背景について、
「これからは『個人の時代』とも言われていますが、ひとりで沢山のことを進めるには限界があります。個人の時代だからこそ、様々な人たちとの関係性の中で物事を進めていくことが大切です。しかしその関係性というのは、どうやってできているのか、出来ない関係性があるのはなぜか、これを可視化したかったのがあります。
また、自分に何ができるのかを客観的に分析・確認できるものが必要だと思いました。キラキラとしたリーダータイプの人が目立つことがよくありますが、自分もなろうとするものの適正が合わず上手くいかないケースは多いのではないでしょうか?自分がどんな役割なら活躍できるのかが、エコシステムマップで分析できます。」
と語られました。
働き方が多様になる時代だからこそ、様々な人と繋がりを持つことは大切
エコシステムマップのワークショップにてファシリテーターを務められた佐近朱美氏。
佐近さんは、会社員時代、購買や原価マネジメントに携わっていたそうで、開発~量産品販売に至るまで、製造業務各現場と幅広く繋がりを持って活躍されていました。ご自身の経験から次のように話されます。
「“誰とどんなことをしてきた”というバックグラウンドをアウトプットしたものがエコシステムマップです。これを見せながら相手と話すと、相手も自分のことを理解しやすいですよね。
例えば、今回コレハタナイトでお会いした方にとって私は『働き方を考えている人』という印象で終わるでしょう。しかし、マップを使うことで他の分野でも活動していること伝えられます。すると、『あ、○○の分野でも佐近さんは関係していたな。あの人に相談してみよう』となるわけです。
これからは働き方が更に多様化し、共創などの連携も活発に行われる時代です。『個人の時代』とも言われるこれからは、知り合った相手が “誰”と“何”をしているのかというリソースを確認できることは大変重要であると思います。これはまた、相手にとっても同じですね。
共にプロジェクトへ取り組む相手がどんな経験をしてきたのか、もしくは、自分が必要とする分野に関わりのある相手なのかがあらかじめ分かって一緒に進むことができたらスムーズですよね。」
と、これからの時代を踏まえた意見を話されました。
会社員時代を経て徐々にフリーランスへと転身するのも働き方のひとつ
新たな働き方の事例を紹介されたのは、現在フリーのエンジニアとして活動されている浅川幸宣氏。
浅川さんは、会社員時代を経てフリーランスとして独立。現在はThe Guild OBPというフリーランス4名で作ったギルド組織としての活動を紹介されました。
ギルド組織とは、一人ではなくグループを組んで活動する “同業組合”。
浅川さん自身は大企業の会社員で勤められ、会社員の傍らフリーランスになった時を考えてセミナーなどへ参加。徐々に転身する流れを作り、2018年に念願叶ってフリーランスとして独立。独立後、はじめは一人で活動されていたものの、ギルドに所属することによってフリーランスながらも仕事仲間を作り、働かれています。
“大企業の会社員”という立場から飛び出し、個人事業主として充実している浅川さんの働き方について、参加者の皆さんも真剣に聞き入ります。
リアルな情報を知ることでイメージが固まった
参加者の中にはOBPエリアで働かれる会社員の方もおられました。
自身が働き方改革に関するお仕事を会社でされているという40代男性にお話を伺いました。
「働き方改革によって会社での残業時間に制限が設けられ、平日の夜もプライベートの時間が増えました。一方で収入面は減ることになります。できた時間を自己のために使ったり、副業でやったことを本業に活かしたり、そういったことを会社側と労働者側お互いに理解を深められないかと思い参加しました。
また、個人的にも副業を考えていて、自分の収入を持ったまま定年退職をしたい思いがあります。今は会社組織の一部にいて働いているだけなので、画一的な働き方だけでは足元をすくわれるのではないかという不安を持っています。
今日は普段お会いすることのないフリーランスの方と交流でき、リアルを知ることができました。しかしまだ具体的に見えないことも多いですね。例えばフリーランスで、特に家庭を持たれている方などは一体どうやって生計を立てているのか、自分には想像が及びません。暫くはこうやって情報交換の場に出てイメージを固めたいです。」
会社に勤めながらも今後自分が安心できる働き方が何かを探していると、お答えくださいました。
同じ悩みを持つ仲間と越えていける場を
OBPは働き方の情報を集められる場所へ
OBP Styleの取材をしていると、OBPワーカーの方が個々で働き方に関連するテーマのセミナーへ参加しているなど、新しい働き方への意識が徐々に高まっていると感じます。
副業・フリーランス・パラレルキャリア・リモートワーク・プロボノ・共創…等々、働き方に関する様々なワードが飛び交う昨今。それは同時に選択肢の幅が広がっているとも言えます。
コレハタナイトは今後もテーマを変えて、シリーズ化されるとのこと。次回は『自由な働き方』『リモートワーク』がテーマです。
働き方改革によってアフター5にゆとりができた方も多いのではないでしょうか?
仕事もプライベートも有意義に変えていく、そんな自分に合った働き方をOBPで見つけることができるかもしれません。